チャットボットの作り方は、次の2通りです。
・自作する方法
・チャットボット作成ツールを使用する方法
それぞれの作り方によって、メリットとデメリットがあります。
この記事では、チャットボット導入に関する基礎知識を説明したうえで、チャットボットを作る方法について解説します。
目次
チャットボットとは?
チャットボットとは、チャットでの質問に自動で回答するプログラムです。
ユーザーの質問にリアルタイムで答えられるため、電話やメールよりも顧客満足度の高いサポートをおこなえます。
チャットボットには、次の2つのタイプがあります。
・ルールベース型
・AI搭載型
ルールベース型のチャットボットは、あらかじめ予想した質問に定型の回答を用意して作るボットです。
作り方が複雑ではないため、安いコストで導入できます。
一方、AI搭載型はデータの蓄積によって作成するタイプのチャットボットで、導入に費用と時間がかかります。
ルールベース型よりも、会話の精度が高く、ユーザーの質問へより正確な回答を返せることが魅力です。
チャットボットの3つのメリット
チャットボットの市場規模は、2022年度には90億円を超え、2023年には100億円に到達すると予想されています。[注1]
なぜチャットボット市場に勢いがあるのか、どうして導入する企業が増えているのか。
ここでは、チャットボットを導入する3つのメリットを紹介します。
[注1]ITR|ITRがチャットボット市場規模推移および予測を発表
カスタマーサポートのコストダウンにつながる
オペレーターによる対応ケースが減り、コストダウンにつながることがチャットボットのメリットです。
チャットボットを導入すれば、単純な内容の問い合わせに対応する必要がなくなります。
その分の時間でほかの業務に取り組めば、業務を効率化させられます。
顧客満足度の向上が図れる
電話やメールでの対応よりも、顧客満足度を向上させられる点もチャットボットのメリットです。
電話での問い合わせ受付は平日の昼間だけであるケースが多く、平日仕事をしている会社員が休日に問い合わせようとしてもつながりません。
また、メールは24時間受付できますが、返信は翌営業日まで待つ必要があります。
チャットボットは、24時間質問への回答が得られるため、土日祝日や年末年始の問い合わせにも対応できます。
いつでも問い合わせのできる点が、顧客満足度向上につながるでしょう。
営業機会を逃さず誘導できる
営業機会を逃しにくくなるのも、チャットボットのメリットの1つです。
「この商品・サービスについて詳しく知りたい」と思っても、電話対応のみの場合は、ユーザーが問い合わせを躊躇するケースもあります。
見込み客を顧客へと変えるためには、商品・サービスをより深く知ってもらう必要があります。
チャットボットを導入することで、問い合わせへのハードルを低く設定できるでしょう。
チャットボットの導入前に準備をする2つのこと
「ライバル企業がチャットボットを導入しているから」と、明確な目的なしにチャットボットを導入しても失敗に終わるリスクがあります。
ここでは、チャットボット導入を成功させるための準備について解説します。
ボット導入の目的を明確にする
チャットボットを導入するときは、その目的を明確にしましょう。
「他社が導入しているから」「カスタマーサポートのコスト削減になるから」といった曖昧な理由で、ボットを導入するのはリスクがあります。
チャットボットの使用目的をきちんと定め、自社の商品・サービスにとってプラスになるかを検討しましょう。
費用対効果が高いことを確認する
チャットボットは、カスタマーサポートのコスト削減になる一方で、導入費用やシステムの利用料がかかる点を理解しておきましょう。
最初に計画した費用対効果が表れなければ、チャットボットの廃止も考えなくてはなりません。
チャットボットの効果によって、目的が達成できそうか、改善点は何かを検討しながら運用をしましょう。
チャットボットを自作する方法
チャットボットの作り方の1つとして、自作する方法があります。
自社内でプログラミングをおこない、チャットボットを実装します。
自社だけのチャットボットが作れる反面、開発に時間がかかる・プログラミングスキルのある社員が必要などのデメリットもある点に注意しましょう。
ここでは、チャットボットを自作するときにメリット・デメリットを解説します。
自作するメリット
他社にはない機能や、自社製品・サービスに適した機能を搭載できることが、チャットボットを自社で作るメリットです。
ルールベース型のチャットボットであれば、ルールベース型のチャットボットであれば、それほど高いプログラミング技術は必要ではありません。
とはいえ、プログラミングによるツール作成スキルのある社員が必要です。
自作するデメリット
チャットボットを自作する場合は、プログラミングのできる部署やチームが必要になるため、自社で作るのはハードルの高いことがデメリットです。
自作した場合、開発に時間がかかるだけでなく、導入後のトラブルにも対処しなくてはなりません。
チャットボットで見込める効果と、自社開発にかかるコストを天秤にかけ、自作するかツールを使用するかを決めましょう。
チャットボットツールを使って作る方法
チャットボットの作成には、専用ツールを使用する方法もあります。
開発期間や人員が不要で、誰でも簡単にチャットボットを作れることが、ツールを利用する魅力です。
ただし、コスト面や機能面で懸念される点もあるため、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。
ツールを使うメリット
チャットボット作成ツールを使えば、専門知識がなくてもチャットボットを作れることがメリットです。
多くのツールでは、FAQを設定するだけでチャットボットを作成できるため、自作するよりも短期間で導入できるでしょう。
ツールを使うデメリット
チャットボットの作成ツールは、利用料金が継続してかかります。
導入したら終わりではなく、チャットボットの機能更新といったメンテナンスが必要だからです。
また、ツールを使ってチャットボットを作成する場合、サービスを提供する企業によってチャットボットの機能が異なります。
会話の精度やユーザーの分析機能だけでなく、導入までにかかる時間や手間も変わるため、ツール選びは慎重におこないましょう。
チャットボットを運用する際の3つのポイント
チャットボットは、導入したら終わりではありません。
導入後も、ボットの効果を分析して、都度改善をおこなう必要があります。
ここでは、チャットボットを運用する際のポイントを3つ紹介します。
導入前の動作テストは入念に行う
チャットボットを導入する際は、事前の動作テストをきちんとおこないましょう。
運用に不具合があると、顧客満足度が下がるだけでなく、営業機会を逃す結果につながります。
チェットボットの機能更新をしたときや、Webサイトのメンテナンスをしたときも、問題なく動くかを確認することが大切です。
リリース後は放置せず定期的にメンテナンスする
動作テストをクリアして、無事にリリースしたとしても、そのまま放置してはいけません。
チャットボットが、ユーザーが望む回答を出せているか、必要な場合は電話やメール対応につなげられているかを確認し、利用率を低下させないようにします。
チャットボットの分析ツールを利用したり、アンケートを実施したりして、顧客満足度を向上させましょう。
見込んでいた費用対効果が得られているか分析する
チャットボットの運用が軌道に乗ったら、導入で見込んだ効果が表れているかを分析することも、チャットボットの運用で重要なポイントです。
思ったような効果がなく、費用がかさむようなら、改善しなくてはなりません。
そのままにしておけば、チャットボットを廃止しなくてはならない状況になってしまうからです。
チャットボット作成ツールによっては、コンバージョンや訪問者の記録機能もあるため、分析に役立てることが可能です。
チャットボットを作るなら業者のツールのほうが簡単
チャットボットの2つの作り方における違いは、次のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自作の場合 | ・自社特有の機能を搭載できる | ・導入までに時間がかかる ・プログラミングの技術が必要 |
ツールを使用した場合 | ・すぐに導入できる ・サポートを受けられる |
・費用がかかる ・機能の拡張性が少ない |
自作とツールを使用する場合における、それぞれのメリット・デメリットを理解し、チャットボットの作り方を決めましょう。
チャットボットは導入するだけでなく、運用まで含めて考えることがポイントです。
顧客満足度は上がっているか、成就率や問い合わせの数は増えたかなど、効果を確認し、顧客データを分析して改善する必要があります。
そのために、チャットボットの作成ツールにデータ取得ツールや分析ツールがあると便利です。