埼玉大学全学でAIチャットボットを導入。学生、教職員、外部の方等の多様なお問い合わせにチャットボットで対応。
国立大学法人 埼玉大学
学長室/経営企画推進課 赤澤 仁美様
貴学の経営企画推進課では、どのような業務を担当されていますか?
赤澤様:経営企画推進課は、2023年4月に新しく設立された部署です。大学組織全体の業務改善を推進していくなど様々な業務がある中で、私は、全学のチャットボット構築を担当しています。2023年度は「全学チャットボット構築プロジェクトチーム」というチームで活動し、7名のプロジェクトメンバーとともに、各部署からQAの収集、チャットボットの構築、運用体制の整備、チャットボットそのものの改善などを担当しました。
ChatPlusの導入をご検討されたきっかけは?導入前にどのような課題がありましたか?
赤澤様:窓口や電話でよくある問い合わせは、ホームページや学生の手引きなどに既に掲載されている情報に関するものも多く、対応に職員の時間も多く割かれていました。そこを効率化するために、調べれば分かる情報はすべてチャットボットが対応するようにしたいと考えました。また、学生や教員等へのサービス向上の方法は何かないか考えており、24時間36日、いつでもどこでも疑問に答えてくれるチャットボットを導入しました。
数あるチャットツールの中で、ChatPlusを選択された決め手は?
赤澤様:もともと当大学の学生支援課で、学生からの就職関連の問い合わせ対応にChatPlusのチャットボットを利用していました。例えば、就活セミナーの情報が知りたいとか、卒業生からのアドバイスはどうしたら受けられるのか、といった情報を入手するためにチャットボットが窓口になっていました。プロジェクトチームを立ち上げてチャットボットを全学に展開しようとなった時に、AIが活用できて、学生支援課での利用実績もあるので、そのままChatPlusにお願いしようということになりました。ChatPlusはAIの多彩な機能を利用できます。なかでも知りたいことのワード検索枠に入力途中でも、登録してあるQAが回答候補としてリアルタイムにサジェストされる機能は、効果的にチャットボット訪問者の自己解決を促すことができると思いました。
ChatPlusはどのように活用されていますか?
赤澤様:学生向けポータルサイト、教職員向けポータルサイト、外部の方向けのサイト、3つのサイトに異なるAIチャットボットを設置し、様々な対象に最適なチャットボット環境の構築を目指しています。外部の方向けのチャットボットでは起動した際に訪問者がまず属性(学生、教職員、受験性や卒業生など外部の方)を選ぶと、属性にあわせてそれぞれサイトに設置したチャットボットが案内されるようにしています。また、前述のとおり検索ワードに応じてAIが回答候補のQAを表示してくれるサジェストの仕組みを構築しています。
チャットボットの利用が最も多いのは、やはり学生です。例えば、就職の際に必要な卒業証明書の発行手続きなどの質問についてはチャットボットが自動で対応しています。一方で、「どんな講義を履修すればいい?」など個別に回答が異なるものについてはチャットボットでは対応していませんが、適切な課へ誘導するようなQAを準備しています。また、「単位をどう取っていけばいいのか分からない」、「将来が不安…」のような質問があった場合も、相談窓口を案内できるようにしています。問い合わせの一次受けを行うコンシェルジュ的な役割をもつ総合窓口のような存在がチャットボットです。丁寧な対応が必要な質問、デリケートな質問への対応に時間が割けるように、単純に回答できる問い合わせについてはチャットボットに任せています。
チャットボットの運用体制は?
赤澤様:チャットボットを構築すればそれで終わりではなく、よりチャットボットの使い勝手をよくするために、QAの追加などチャットボットの環境改善を行っていく必要があります。そのために、各部署から1~2名ほどをチャットボット担当者、通称「アンバサダー」として任命し、より現場に近いところで業務を行うアンバサダーから、こういうQAをチャットボットに入れてほしいと推薦してもらっています。また、日々検索されたワード等のデータもアンバサダーが確認できるようにし、チャットボットの利用者がどういったことを知りたがっているのか分析できるようにし、それをチャットボット環境改善にもつなげています。
学内だけで改善しようとしても知識等の面で限界があるため、チャットプラスのサポート担当にも相談し、改善方法を一緒に検討いただくこともあります。
今後ChatPlusをこんなふうに使ってみたいというのはございますか?
赤澤様:現在3つのサイトで利用しているチャットボットは約900件のQAが格納されていて、それぞれサイトで学生、教職員、外部の方の多様な質問に回答しています。今後は、精力的に活動しているアンバサダーがこういったデータを使って新しくQAを追加したといった具体的な事例を伝え、なぜチャットボットに任せると自分の業務がラクになるのかを啓蒙していき、全学がチャットボット構築に取り組んでいけるような体制を作っていきたいと考えています。
それだけでなく、回答の精度を上げたり、チャットボットのUIを改善していくなど、チャットプラスの方と連携し、みんなが利用しやすい・利用してみたいと思うチャットボットづくりをしてきたいと考えています。
最後に、当ホームページをご覧のお客さまへメッセージをお願いします。
赤澤様:今後も経営企画推進課では大学組織全体の業務改善をさらに推進していきたいと思っています。たとえば、埼玉大学のWebサイトに設置しているチャットボットは、一般企業の方にもご利用いただけるようにQAを準備しています。一般企業の採用担当の方が検索ワードに「インターンシップ」と入れると、インターンシップのことが分かるページや、求人・インターンシップの募集について、当大学の担当の窓口をチャットボットで案内します。また教員との共同研究など産学官連携のご相談につきましても、ご案内ページや担当窓口がすぐに分かりますので、そうした一般企業のご担当者様からのご相談についても是非ChatPlusを活用いただけるように、さらに積極的に情報発信をしていきたいと思っています。