
目次
チャットボットサービスとは?無人での問い合わせ対応が可能
チャットボットサービスとは、お客さまの問い合わせ対応を「チャットボット」が代行するサービスです。無人での問い合わせ対応が可能なだけでなく、チャットボットがその場でお客さまの疑問や悩みに答えるため、電話やメールよりもスピーディなカスタマーサポートが実現します。チャットボットサービスは、その機能によって2つに分けられます。
シナリオ型 |
問い合わせのほとんどは定型質問。あらかじめシナリオを組み立て、想定した質問に自動で回答できる |
AI型 |
AIが問い合わせに必要な情報を学習し、表記ゆれや曖昧な質問にも対応できる |
「シナリオ型」のチャットボットは、決まりきった質問にしか対応できませんが、導入コストが安価です。一方、AI型のチャットボットは、人間の話し言葉も学習できるため、お客さまから見ても違和感のない対話が可能です。自社に必要な機能を考え、チャットボットサービスを導入しましょう。
チャットボットサービスは機能・価格・柔軟性・セキュリティの4つで比較しよう
チャットボットサービスを比較するポイントは、機能・価格・柔軟性・セキュリティの4つです。それぞれについて、以下の表にまとめました。
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比較ポイント |
機能 |
・AI型か、シナリオ型か ・スマホやタブレットからも利用できるか ・チャットボットの細かな動作を自分で設定できるか |
価格 |
・導入コストはどれくらいかかるか ・運用コストは他社と比較してどうか |
柔軟性 |
・APIが解放され、カスタマイズの自由度が高いか ・他のサービスと連携できるか |
セキュリティ |
・プライバシーマーク(Pマーク)を取得しているか ・通信内容が暗号化(SSL)されているか |
一般的に、豊富な機能が用意されたチャットボットサービスほど、導入コストや運用コストも高くなります。自社に必要な機能を見極め、サービスを比較することが大切です。LINEやFacebookといったSNSとの連携など、他のサービスとの併用も考えている場合は、カスタマイズの自由度もチェックしましょう。また、お客さまの個人情報を扱う場合は、セキュリティ対策も欠かせません。
AIチャットボットサービスの2つのメリット
チャットボットサービスのなかでも、「AIチャットボットサービス」を導入するメリットは2つあります。
顧客満足度を高められる
チャットボットサービスは、電話やメールと違い、お客さまがWebサイトにアクセスした時点で対応できるため、問い合わせのリードタイムを減らせます。とくにAIチャットボットサービスは、表記ゆれや曖昧な質問にも対応できるため、さらに顧客満足度の向上につながります。
カスタマーサポートのコストを減らせる
電話やメールでの問い合わせ対応など、有人でのカスタマーサポートにはコストがかかります。問い合わせ件数が増えれば増えるほど、このコストの部分が問題です。しかし、AIチャットボットサービスなら、無人で複数のお客さま対応が可能です。実際に、チャットボットサービスを導入した結果、電話での問い合わせ対応が大きく減少し、電話対応がゼロになった事例もあります。サポートコストを減らしたい場合は、AIチャットボットサービスがおすすめです。
ChatGPTについて
ChatGPTとは、OpenAI社が2022年11月に発表したチャットボットです。ユーザーが普段使用している言語(自然言語)をはじめ、インターネット上のテキストデータを学習する能力が備わっているため、まるで人間と会話をしているようなスムーズなやり取りが可能です。日本語はもちろん、欧州諸国・アジア諸国・アラビアなど、さまざまな国や地域の言語に対応しています。
AIに質問することで回答を得られるチャットボットは複数発表されてきましたが、人工知能が最適な情報を自ら選出して回答したり、ゼロから文章を作成したりできるチャットボットは、これまで普及してはいませんでした。個人が調べ物をするときにはもちろん、企業のお問い合わせ対応のほか小説や台本の執筆など、クリエイティブな分野での活用にもChatGPTはおすすめです。
ChatGPTは自然言語を学習するAI
ChatGPTは、与えられたテキスト指示に自然な形で回答できます。それを可能としているのが、膨大な自然言語データを学習できる、ラージ・ランゲージ・モデル(大規模言語モデル)と呼ばれる自然言語処理モデルです。インターネット上に存在するテキストデータを記憶するだけでなく、複雑な語彙や文脈なども理解した上で、回答としてテキスト化できるようトレーニングされています。
また、ChatGPTのベースとなっている言語モデルGPTは、2023年2月にはGPT-3.5、2023年3月にはGPT-4とバージョンが更新されており、今後も改良が期待できるでしょう。
ChatGPTは事務手続きからクリエイティブ分野まで活用が可能
ChatGPTの活用方法は多岐にわたります。気になっていた事柄をインターネット検索をする感覚でChatGPTに質問したり、レポートや課題作成の参考となるアイデアをChatGPTから引き出したりと、個人での使用にもおすすめです。
一方、企業でもChatGPTを取り入れることによって、大きなメリットが得られます。これまで、経理や事務の担当者が手作業で行っていた業務にChatGPTを活用することで、大幅な時間短縮が望めるでしょう。例えば、ChatGPTに書類テンプレートの作成を依頼することなどができます。「◯◯のテーマで書類のテンプレートを作って」と指示をすればChatGPTがテンプレートを作成してくれるほか、入力後の書類に誤字脱字がないかの確認もChatGPTであれば可能です。
また、ChatGPTはゼロからアイデアを考えることも得意としています。例えば、「◯◯という商品のキャッチコピーを考えて」と命令すると、入力した内容に見合ったキャッチコピーを提案してくれます。条件の指定は必要となりますが、細かな指示を送ることで、テーマに沿った小説を執筆してくれたり、自作した曲に対する歌詞を考えてくれたりと、クリエイティブな分野でも活用が可能です。
ChatGPTについては、ChatGPTとは?日本語での始め方から企業での活用方法を解説でも詳しくご紹介しています。
チャットボットとChatGPTの連携でできること
自然言語データを学習するChatGPTをAIチャットボットと連携させることで、より高度なカスタマーサービスが提供できるようになります。
AIチャットボットとChatGPTのそれぞれの特徴を理解して、自社に適したサービスを導入できるようにしましょう。
ChatGPTとAIチャットボットの違い
近年はAIの進化が目覚ましく、さまざまなシステムやアプリに組み込まれるようになりました。その中でも広い分野に衝撃を与えたのがChatGPTです。ChatGPTとAIチャットボットにはどのような違いがあるのか解説します。
1. 学習の範囲が違う
1つ目の違いは学習の範囲です。ChatGPTはAIチャットボットと同様に、学習機能があるチャットボットです。ChatGPTは、インターネット上の膨大なテキストデータから自動で学習します。一方、AIチャットボットは、人間が学習させた内容と、会話によって得た情報から学習します。ChatGPTはジャンルを問わずあらゆる質問に答えることができるのに対し、AIチャットボットは長く運用することで回答の精度が上がったとしても、想定している範囲外の質問には答えられません。
2. ChatGPTは考えて答えを出す
2つ目の違いは、ChatGPTは考えて答えを出せることです。AIチャットボットは、保有している知識の中から回答するシステムです。問い合わせ時の表現の揺れや曖昧な表現に対しては対応できますが、知識として保有していない問い合わせに対しては返答できません。
一方でChatGPTは、データを保有していない質問に対してはインターネット上から情報を探して回答します。さらに「物語を作って」や「企画のアイデアを出して」などの問い合わせに対して、ゼロから創作することも可能です。しかし、ChatGPTは膨大な情報の中から統計的に答えを導き出すため、時には間違った回答や不適切な回答をする場合があります。AIチャットボットは登録されている知識から答えるため、間違えることはありません。この点もChatGPTとAIチャットボットの大きな違いです。
AIチャットボットとChatGPTは連携でより高機能になる
AIチャットボットとChatGPTは、連携することでより高機能なシステムとして使用できます。ChatGPTはあらゆる質問に自然な言語で答えられる、優秀なチャットボットです。しかし、質問する際の条件や文言によっては、意図していない回答が返ってくることもあります。
一方でAIチャットボットは、狙ったとおりの回答が可能ですが、柔軟性と自然言語能力はChatGPTには及びません。こうしたChatGPTとAIチャットボットの弱点は、それぞれの連携で補い合うことができます。AIチャットボットができない多言語対応や柔軟な思考をChatGPTで補い、ChatGPTの問題である回答の制御をAIチャットボットで補うことができるでしょう。
AIチャットボットサービス10社の徹底比較
AIチャットボットサービスには、カスタマーサポートに強いもの、社内のヘルプデスクとして使えるものなど、さまざまな種類があります。チャットボットの導入をお考えの方のため、ここでは10社のサービスを徹底比較します。
「教えて!goo」から生まれたgoo AI×DESIGN
goo AI×DESIGNは、NTTレゾナント株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:goo AI×DESIGN
料金:非公開
無料トライアル:なし
「教えて!goo」の膨大なQAデータと、「goo辞書」の言語辞書を活用しているのが強みで、導入初期のオリジナル学習データが少ない状態でも、自然な対話が可能です。
マーケティング支援も可能なDialogPlay
DialogPlayは、TIS株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:DialogPlay
料金:月額5万円~
無料トライアル:あり
DialogPlayの強みは、マーケティングの支援も可能なこと。ECサイトに訪れたお客さまに商品やサービスを紹介し、購買のフォローが可能です。
東大大学院人工知能研究チームが開発したKARAKURI
KARAKURIは、カラクリ株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:KARAKURI
料金:非公開
無料トライアル:なし
KARAKURIに搭載されたAIは、東大大学院人工知能研究チームが開発したもの。学習データが少なくても、精度の高い問い合わせ対応が可能です。また、導入支援サービスもあり、AIの成長失敗を防げます。
初期構築をサポートしてくれるAIChat for touching
AIChat for touchingは、株式会社KDDIエボルバのAIチャットボットサービスです。
サービス名:AIChat for touching
料金:非公開
無料トライアル:なし
AIChat for touchingの最大の特徴は、チャットボットの初期構築をしっかりサポートしてくれること。自社に合ったAIを育てることができ、顧客満足度の高いカスタマーサポートが実現します。
有人チャットとの併用も可能なCHORDSHIP
CHORDSHIPは、富士通株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:CHORDSHIP
料金:月額12.5万円~
無料トライアル:なし
CHORDSHIPは無人のチャットボットだけでなく、有人のチャット機能もあります。AIでの対応が難しい場合は、スムーズに有人チャットへ移行することで、問い合わせ対応の質を高められます。
自社のキャラクターの起用が可能な「Corproid」
「Corproid」は、株式会社SyncThoughtのAIチャットボットサービスです。
サービス名:Corproid
料金:非公開
無料トライアル:なし
Corproidのユニークな特徴は、自社のキャラクターを起用できる点です。お客さまがキャラクターと対話するような感覚で、楽しくご案内ができます。
「最強AI」を搭載したQA ENGINE
QA ENGINEは、株式会社Studio OusiaのAIチャットボットサービスです。
サービス名:QA ENGINE
料金:月額30万円~
無料トライアル:なし
QA ENGINEに搭載されたAIは、全米クイズチャンピオンに勝利した経験もある「最強AI」です。高精度なAIを活かし、カスタマーサポートから社内ヘルプデスクまで、さまざまに活用できます。
問題解決までの時間を96%削減可能なCAIWA Service Viii
CAIWA Service Viiiは、株式会社イクシーズラボのAIチャットボットサービスです。
サービス名:CAIWA Service Viii
料金:非公開
無料トライアル:なし
CAIWA Service Viiiは、2007年サービス開始の老舗チャットボットサービスです。導入企業のなかには、問題解決までの時間が96%減少した事例や、サポートコストが65%減少した事例があり、高い導入効果が期待できます。
法人なら無料で利用できるChai
Chaiは、デフィデ株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:Chai
料金:月額9,800円~
無料トライアル:あり
法人なら無料で使える「フリープラン」があるのが、Chaiの最大の特徴。しかし、SNS連携ができないなど、機能制限があります。
最大7言語までマルチリンガル対応が可能なDesse
Desseは、SCSK株式会社のAIチャットボットサービスです。
サービス名:Desse
料金:年間1,000万円~
無料トライアル:なし
最大7言語まで、マルチリンガルに対応できるのがDesseの強みで、海外拠点を持つ企業や、グローバル人材を抱える企業に最適です。とくに、社内ヘルプデスクの支援に強みを発揮します。
チャットボットサービスは「課題別」に選ぼう
チャットボットサービスを選ぶなら、自社が抱える「課題」に合わせて選びましょう。チャットボットサービスは、大きく3つのタイプに分けられます。
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特徴 |
解決できる課題 |
FAQ型 |
・お客さまの問い合わせ対応に特化 ・問い合わせデータを学習し、自然な回答が可能 |
・顧客満足度を改善したい ・カスタマーサポートのコストを減らしたい |
エージェント型 |
・お客さまに商品やサービスを紹介できる ・ユーザーニーズに合わせた提案を行い、販売促進につながる |
・顧客接点を増やしたい ・売上を改善したい |
キャラクター型 |
・キャラクターを起用し、親しみやすい空間を創造できる ・お客さまが楽しんで問い合わせできる |
・ブランドイメージを高めたい ・自社のファンを増やしたい |
チャットボットサービスを導入し、自社のカスタマーサポートやマーケティングの課題解決に活用しましょう。
AIチャットボットに関するよくある質問
- チャットボットサービスはどういった点を比較すべきでしょうか?
- 機能・価格・柔軟性・セキュリティの4つを比較する必要する事がおすすめです。
- AIチャットボットサービスはどのようなメリットがありますか?
- 「顧客満足度を高められる」、「カスタマーサポートのコストを減らせる」といったメリットがあります。