LINEチャットボット(ラインボット)のできる事は?導入方法と基礎知識を解説

パソコンを操作するイメージ

近年、大企業を中心にLINEチャットボット(ラインボット)を活用する動きが広まりつつあります。その理由はコスト削減の為だけではありません。LINEという巨大なチャネル上で自社サービスの展開ができるという点に大きな注目が集まっているのです。 本稿ではLINEチャットボットの種類や導入方法、活用するメリットについて解説していきます。導入掛かる費用や運用上の注意点にも触れていますので、自社でLINEチャットボットの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

LINEチャットボット(ラインボット)とは?

LINEチャットボットはメッセージアプリ「LINE」を利用したチャットボットのことです。チャットボットとはユーザーが送信したメッセージに対し適切な回答を自動返信するロボットのこと。AI技術の進化と共に注目されている技術のひとつです。 通常、チャットボットはユーザー対応をAIに任せることによる人員不足の解消や、コスト削減の目的で導入されます。しかし、LINEチャットボットが注目を集める理由はLINEが抱える圧倒的なアクティブユーザー数です。 既に多数の人が利用しているプラットフォーム上で自社サービスを展開することにより、ユーザーの利便性が高まることが期待されています。

LINE公式アカウントで設定できるボットの種類と特徴

LINE公式アカウントの3種類のボットとその特徴

LINEチャットボットでは大きく分けて3種類のチャットボットを設定することができます。
1.応答メッセージ(LINE公式アカウント標準搭載)
2.AI応答メッセージ(LINE公式アカウント標準搭載)
3.Message AIP用チャットボット これらの内、「応答メッセージ」と「AI応答メッセージ」はLINE公式アカウントに標準搭載されている機能です。それぞれのチャットボットの特徴について解説します。

1. 応答メッセージは使い方がシンプル

応答メッセージは、受信したメッセージ内に特定のキーワードを検知した際、それに対応するテンプレートメッセージを自動返信するチャットボットです。LINEチャットボットの中で最もシンプルな仕組みをしており、設定も容易に行うことができます。 しかし、適切な回答を得る為にはユーザー側が意識的にキーワードを含んだメッセージを作成する必要があり、利便性が良いとは言えません。ユーザーに対してキーワードを周知する必要もあるので、活用方法は限られるでしょう。

2. AI応答メッセージは業務効率改善に効果あり

AI応答メッセージは、ユーザーから受信したメッセージ内容をAIが分析し、その結果に応じたテンプレートメッセージを返信することができるチャットボットです。AIの機能によって、ユーザーからの問い合わせにより柔軟な応対をすることができます。 先に紹介した応答メッセージとは異なり、こちらでは特定キーワードの設定は必要ありません。カテゴリーごとに複数のテンプレートメッセージを設定しておくことで、AIがその中から適切なものを選択して返信します。 長文や複雑な分葉ではAIが内容を判断できないこともありますが、その場合はマニュアル操作で返信することが可能です。基本的にはAIに任せ、必要な時は人の手で対応することで業務効率の改善が期待できます。

3. Message APIで独自のチャットボットが運用できる

Message APIは、LINE以外のベンダー企業が開発したチャットボットを公式アカウントに連携し、LINEアプリ上で動作させる仕組みのことです。現在は多くのベンダーがMessage API用のボットを提供しており、各企業に合わせた便利なサービスが運用されています。 実際に企業で活用されているものとしては、飲食店の予約、デリバリーの注文、宅配便の配送確認などが有名です。LINE上で保険料の見積りが出せるサービスもMessage APIを有効活用した良い例でしょう。 Message APIを利用する場合はボットを提供するベンダーに対して月額の使用料を支払うことが一般的です。また、LINEの開発者向けサイト「LINE developers」に登録すれば、自社でチャットボットを開発することもできます。

LINEチャットボットの導入方法(作り方)

LINEチャットボットを導入するにあたり、必ず必要となるものが自社のLINE公式アカウントです。公式アカウント開設後、管理画面から応答メッセージとAI応答メッセージの設定をすることができます。

LINE公式アカウントの取得方法

初めにLINE公式アカウントの開設を申請しましょう。LINEの企業向けサイト「LINE for Business」から手続きを行うことができます。
1.「LINE for Business」のアカウント開設画面にアクセスする
2.個人のLINEアカウント、もしくはビジネスアカウントを登録
3.アカウント名、企業情報を入力して申請
4.管理画面にログインして開設完了
5.公式アカウントの基本設定を入力し運用開始

応答メッセージの設定方法

応答メッセージの設定は公式アカウントの管理画面から行います。
1.ホーム画面左のサイドバーで「応答メッセージ」をクリック
2.右上に表示されている「作成」をクリック
3.応答メッセージ作成画面へ移行し、メッセージを作成する
4.メッセージの設定完了後、「保存」をクリック 参考: LINE for Business「応答メッセージ」 https://www.linebiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/Auto-response-messages/ 設定したメッセージは管理画面でリストとして表示されます。メッセージのタイトルをクリックすることで再編集が可能です。

AI応答メッセージの設定方法

AI応答メッセージも同様に公式アカウント管理画面から設定します。通常の応答メッセージとの違いは「一般的な質問」「基本情報」「業種カテゴリー別」「予約」の4つのカテゴリーごとにメッセージを設定する点です。 4つのカテゴリーには更に細かいタイプが設定されており、AIがどのタイプに当てはまる質問か判断し適切なメッセージを返信します。
1.ホーム画面左のサイドバーで「AI応答メッセージ」を選択し「シンプルQ&A」をクリック
2.「設定」をクリックし、設定画面に移行する
3.業種カテゴリーを設定する
4.4つのカテゴリータブから変更したいものを選び、質問タイプをクリックする
5.質問タイプごとの設定フォームにメッセージを入力する。
6.設定完了後、「保存」をクリック 参考: LINE for Business「AI応答メッセージ」 https://www.linebiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/simple-qa/ なお、AI応答メッセージを運用する際は、アカウントの応答設定を「スマートチャットかAI応答メッセージ」に変更する必要があります。

Message APIは各ベンダーに相談を

Message APIを活用する場合の導入・設定方法は使用するチャットボットによって異なります。不明な点があれば開発・販売元であるベンダーの担当者に直接確認するようにしましょう。

LINEチャットボットを導入するメリット

LINEチャットボットを導入する3つのメリット

LINEチャットボットを導入するメリットについて解説します。チャットボットを有効活用し、企業活動を有利に進めましょう。

LINEのアクティブユーザーにリーチできる

LINEチャットボットの導入による大きなメリットは、LINEが抱える圧倒的なアクティブユーザーにリーチできることです。2021年時点で日本国内におけるLINEの月間アクティブユーザー数は8,600万人以上、総人口の68%をカバーしています。[※1] 今やLINEは日本に置ける重要なインフラのひとつです。この巨大なプラットフォーム上ででサービスを提供することにより、既存ユーザーの利便性向上や、新規ユーザーの効率的な獲得が期待できます。 [※1] LINE Business Guide(2021年1〜6月期版) https://www.linebiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202101-06.pdf

ユーザー対応の工数や人員を削減できる

LINEチャットボットの活用により、ユーザー対応に必要な工数や人員が削減することができます。営業時間に関する質問や、予約希望のような形式的な問い合わせについては、ボットでも充分に対応できるでしょう。 問い合わせ業務の多くをボットが代行することにより、人間のスタッフは作業負担が大きく軽減します。その分、ボットでは対応しきれない複雑な問い合わせやクレームに対して時間を掛けられる為、顧客満足度の向上を図ることも可能です。

ユーザーが問い合わせをしやすい環境が作れる

LINEチャットボットの導入により、ユーザーが問い合わせをしやすい環境を構築することができます。主な理由は以下の通りです。
●24時間問い合わせを受け付けられる
●問い合わせに対する返信が速い
●電話やメールに比べて問い合わせのハードルが低い 特に注目するべきは「問い合わせのハードルが低い」という点です。近年では若い世代を中心に、電話に対して苦手意識を感じる人が増えていると言います。LINEであれば普段から利用していることもあり、気軽に問い合わせをしてもらうことができるでしょう。 問い合わせの数が増えれば、その分顧客の要望を多く集めることができます。チャットボットの導入を機に思わぬ新サービスが生まれることもあるかもしれません。

LINEチャットボットサービスの費用

LINEチャットボットの費用は「LINE公式アカウントの月額費用」と「Message API用チャットボットの使用料金」に分けられます。それぞれの費用について開設します。

LINE公式アカウントの月額費用

フリープラン

ライトプラン

スタンダードプラン

月額固定費

無料

5,000円

15,000円

無料メッセージ通数/月

1,000通

15,000通

45,000通

追加メッセージ従量料金

不可

5円/通

~3円/通

※価格は全て税込みです。

参考:LINE公式アカウントマニュアル https://go.linebiz.com/rs/872-KNP-101/images/LINE_OfficialAccount_manual.pdf?_ga=2.231191574.865821043.1617442597-285115823.1617442597 LINE公式アカウントの月額料金はフリープラン、ライトプラン、スタンダードプランの3コースが用意されています。フリープランであれば無料でLINEチャットボットを導入することもできますが、実際の利便性を考えた場合は有料プランを利用した方が良いでしょう。

Message API用チャットボットの利用料金

Message API用チャットボットの費用は、初期導入費用に加えて月額利用料を支払うという形式が一般的です。費用はベンダーによって異なり、またAI使用の有無でも金額に大きな差が生じます。

シナリオ型チャットボットの料金相場

○初期費用 5万~10万円
○月額費用 1万~5万円

AI搭載型チャットボットの料金相場

○初期費用 100万円~300万円
○月額費用 10万円~100万円 上記の金額はあくまで一例です。実際には企業ごとに見積りを提示している場合も多く、個別の専用ボットを使用する場合は更に高額になることが考えられます。 Message API用チャットボットの導入を検討する場合は、複数社から見積もりを提示してもらい、機能や費用を比較しながら決めるようにしましょう。

LINEチャットボットの注意点

最後にLINEチャットボットを導入・運用する上での注意点を解説します。ポイントを抑えて効率的にチャットボットを運用しましょう。

複雑な文章や長文にはマニュアルで対応する

AI搭載型のチャットボットであっても、あまりにも複雑な文章や長すぎる文章には対応することができません。問い合わせの全てをチャットボットに任せるのではなく、案件に応じてマニュアルで対応するなど、フレキシブルな運用が求められます。

配信する情報は常に最新に保つ

返信メッセージのテンプレートは頻繁に更新し、常に最新の情報が配信できるよう管理することが大切です。古い情報をそのまま配信してしまうと、ユーザーの不信を招いてしまいます。

ユーザーに「友達登録」してもらう必要がある

LINEチャットボットを運用する上での大きな障害となるものが「友達登録」です。LINEは自社の公式アカウントを友達登録している人には強いメッセージを発信できる一方、友達登録をしていない人に対しては情報が届きにくいという欠点があります。 効率的にユーザーを増やす為には、ツイッターやインスタグラムといったSNSと連携させることが重要です。他にも自社のWEBサイトや各種広告、実店舗など、利用できるチャネルは全て動員し、友達登録を促すようにしましょう。

LINEチャットボットで新規ユーザーを発掘しよう

LINEは今や重要な通信インフラであり、日本全国に8600万人以上のユーザーを抱える巨大なプラッフォームです。LINEチャットボットは、LINEを通じて多くのユーザーに自社サービスを利用してもらう為の足掛かりになります。チャットボットを適切に運用し、新規ユーザー獲得に活用しましょう。

LINE BOTの活用方法を見る

ラインボットに関するよくある質問

LINE公式アカウントはどこから取得する事が出来ますか?
LINEの企業向けサイト「LINE for Business」から手続きを行うことができます。
ラインボットを導入するメリットはなんでしょうか?
大きく下記3つの特徴が挙げられます。
LINEのアクティブユーザーにリーチできる。
ユーザー対応の工数や人員を削減できる。
ユーザーが問い合わせをしやすい環境が作れる。

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