CASE

導入事例

日本を代表する「大曲の花火」運営を支えるチャットボット。月間7,000件の問い合わせを自動対応。評価のポイントは現場で即時変更できる柔軟性

大仙市 経済産業部 花火産業推進課

副主幹 田村 将悟 様

主事 泉 好香菜 様

撮影|大仙市広報広聴課

「大曲の花火」についてご紹介ください。

秋田県大仙市で開催される全国花火競技大会「大曲の花火」は、日本を代表する花火大会として、毎年10万人以上の観客を魅了しています。その起源は1910年(明治43年)、地元の諏訪神社祭典の余興として始まった花火大会にさかのぼります。以来100年以上の歴史を重ね、現在では全国から選りすぐりの花火師たちが集い、技術と芸術性を競い合う格式高い競技大会へと発展しました。最優秀作品には内閣総理大臣賞が授与されるなど、花火師にとっては名誉ある舞台です。中でも大会提供花火は、幅900メートルにも及ぶ壮大なワイドスターマインで、音楽とシンクロした演出は圧巻です。

大仙市は、花火大会の運営に注力されていると伺っています。

大仙市の花火産業推進課は、花火大会における駐車場や交通規制等に関する情報発信を、Webサイトや SNS を活用して行っています。「大曲の花火」春夏秋の3大会以外にも花火大会はありますので、それらの地域の花火大会における花火打上委託契約業務等も担当させていただいています。

大仙市は「大曲の花火」を核とした地域振興を目指し、花火を単なるイベントではなく"産業"として育てる取り組みを進めています。地域の各種団体とも連携しており、「大曲の花火」は大曲商工会議所と大仙市の共同開催となっています。

撮影|大仙市広報広聴課

チャットボットの導入を検討された時の、課題をお聞かせください。

春夏秋3大会のなかで、最も有名でお客様が一番多く来られるのが夏の全国花火競技大会です。開催の三ヶ月ぐらい前から電話での問い合わせが多くなってくるのですが、7月後半から8月の大会直前になってくると、問い合わせ対応で市職員の他の業務が滞ってしまうこともありました。大会前になると関連業務が増えるため更に切迫してしまいますので、重要な大会準備業務をミスなく丁寧に行うためにも電話対応の件数をなるべく減らしたかったのです。様々なサービスの情報を集め、まずチャットボットの導入から検討を始めることになりました。

電話問い合わせの数と、どのような内容が多いのかを教えてください。

大仙市のWebサイトには、花火大会当日の駐車場情報や交通情報が掲載されており、共同開催の大曲商工会議所のWebサイトには花火大会の観覧チケット情報が掲載されています。市役所と商工会議所に、それぞれの掲載内容に関する数多くの問い合せが入ります。また、市役所に観覧チケットに関する問い合せが来たり、商工会議所に駐車場に関する問い合わせが入ってしまうというケースもあります。とにかく電話がかかってきて、対応に追われてしまうという状況でした。

当時の具体的な数字を出すことは難しいのですが、受話器を置いたらすぐにまた電話かかってくるというような状況でした。電話対応をする職員が4人しかいないのですが、電話がずっと鳴っている状況です。一つひとつの問い合わせは必ずしも長くないのですが、途切れなく続いてしまうので他業務への影響も出ていたと思います。

「花火伝統文化継承資料館 はなび・アム」 撮影|大仙市花火産業推進課

数あるチャットボットから、ChatPlusの導入を決めた理由は何ですか。

導入前に、複数社に資料請求し、じっくりと比較検討しました。まず、私たちが重視したのは感覚的かつ柔軟にシナリオ設定できることです。また、「とにかく、やってみよう」というチャレンジ段階でしたので、価格がリーズナブルであることも重要でした。ChatPlusはこれらの条件を満たしており、プログラムを触ったことが無い私でも簡単にシナリオ設定できることから、導入を決定しました。

花火大会の運営において、ChatPlusをどのように活用されましたか。

大仙市と大曲商工会議所のWebサイトに設定しました。各サイトのトップページに設置したので、ページを隈なく見て情報を探す手間を省くことができ、お客様にストレスなく欲しい情報にアクセスしてもらうことができるようになったのではと感じています。

また、情報の更新をスピーディーに行うことを心がけました。例えば、当日券の販売の有無はその年の状況よって変わりますが、今年は当日券の販売はしないと決まったら即座にチャットで広報できました。これも、ChatPlusのシナリオ設定が柔軟で簡単であるからこそ実現できたことです。

ChatPlus導入の成果について教えてください。

ChatPlusのレポートから、8月のチャット数が7060件ありました。1日平均で235件であり、解決率は6割を超えていますので、その分電話問い合わせの負荷を下げてくれたと評価しています。また、電話問い合わせの受付は平日の17:15迄なのですが、その時間外に自己解決の手段を提供できたことは、お客様の利便性向上につながったと考えています。

電話での問い合わせをいただくのは高齢の方が多いのですが、一緒にチャット操作をしたりすることでその場でご満足いただけたり、チャットに誘導できたケースもありますので、総合的に大変意味のある取り組みができたと感じています。

今後もChatPlusを活用するうえで、どのような課題がありますか。

チャット数は想定以上に多く、自己解決率も高かったのですが、もっと工夫できることはなかったのかをフラットに検証しているところです。そもそも「大曲の花火」の知名度が上がったことから問い合わせいただく方の人数そのものが増えている、そして今後も増えていくであろうと推察もできます。この状況を打開する上でチャットによる自己解決は可能性のある手法であると思いますので、電話問い合わせ件数を劇的に減らせるようなシナリオや活用法が見いだせるのかを、検討しています。

また、Webサイトに訪れたユニークユーザー数や国籍を自分たちでレポート出力し、蓄積して分析することを実現したいと考えています。外国人の方の割合が3%から5%に増えましたので、その対応レベルを向上させる必要性を感じるからです。今は日本語と英語を選択できるように設定していますが、今後は多言語対応が必要かもしれません。ChatPlusは視覚的にも感覚的にも非常に使いやすいサービスで、ちょっとした疑問があればスタッフの方が速やかにオンライン打合せで解決してくれました。

最後に、当ホームページをご覧のお客さまへのメッセージをお願いします。

大曲の花火の魅力は夏だけにとどまりません。春には「春の章」、秋には「秋の章」として、季節ごとの花火イベントが開催されており、年間を通して花火文化を楽しむことができます。春の章では、海外の花火と日本の花火のコラボレーションや、若手花火師による「新作花火コレクション」など、革新的な企画が展開され、未来の花火文化を担う若者たちの挑戦が光ります。秋の章では、しっとりとした秋の夜空に映える幻想的な花火が打ち上げられ、夏とはまた違った趣を楽しめます。観覧席も販売されており、イス席やテーブル席などが全国のコンビニや会議所窓口で購入可能です。これらのイベントは、花火師の技術向上と文化継承を目的としており、地域の人々と全国の花火ファンをつなぐ大切な場となっています。春夏秋を通じて、花火の街・大曲は常に新しい感動をお届けします。ぜひ一度足を運び、四季折々の花火の魅力をご体感ください。

撮影|大仙市広報広聴課

秋田県大仙市 ウェブサイト
https://www.city.daisen.lg.jp/

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