60年の進学相談ノウハウをAIエージェント化、今どきの高校生はチャットで相談が当たり前。エンゲージメント率は驚きの60%を達成!
株式会社さんぽう
新規事業推進室 山根 康伸 様
学校広報支援事業チーム 伊東 博文 様
貴社の事業内容と特徴についてご紹介ください。
山根様
株式会社さんぽうは、来年で創業60周年を迎える進路ソリューション会社です。各高校の進路指導がどのような教育方針を持ち、高校生にどう進路を決めてほしいのかという想いに寄り添いながら、高校生と大学・専門学校等のマッチングを支援する事業を半世紀以上にわたって展開してきました。主力事業は「高校内進路ガイダンス」で、高校の授業の一環として大学・専門学校の担当者を招き、高校生が進路を考えるきっかけを提供しています。年間約8,000回の実施数を誇り、全国の大学・専門学校のほぼ全てとお付き合いがあります。また、紙媒体である進学情報誌の発行と、進学ポータルサイト「さんぽう進学ネット」の運営も柱であり、イベント・紙媒体・インターネットの3つのメディアを通じて、年間延べ約70万人の高校生に上級学校との接点を提供しています。
担当されている業務についてご説明ください。
山根様
新規事業推進室では、高校生と上級学校のより良いマッチングを実現するための仕組みを企画しています。デジタルの力で進路指導現場に新たな貢献ができないかと模索しており、今回ご紹介する「志望校マッチングAI ミチカル」がその施策のひとつです。

伊東様
私はWeb総合窓口として、さんぽう進学ネットの運営全般を担当しています。Web制作・広告営業部門との連携やユーザーからの問い合わせ対応まで、インターネット事業全体がスムーズに推進されるよう、様々な業務を一手に引き受けています。進路情報とWebの両方に精通する立場として、今回のAIエージェント型チャットボット導入に取り組みました。
ChatPlus導入のきっかけを教えてください。
山根様
背景には、ここ5〜10年で急速に進んだ受験環境の変化があります。私立大学入学者の約6割が、一般選抜ではなく総合型・学校推薦型選抜で進学する時代になりました。この選抜では「なぜその大学・学部・学科を選んだのか」という目的意識が強く問われます。偏差値で志望校を絞り込む時代から、「自分が何を学びたいか」で探す時代へと変わったのです。ところが、従来の情報サービスにおける検索機能では、キーワードの完全一致・部分一致で表示される情報の精度に限界がありましたし、競合他社の進学ポータルも同様の検索機能を持つため、サービスの差別化が難しいという課題もありました。
相談数を増やすことがチャットボット導入の目的だとお伺いしました。
山根様
一般的にチャットボットは問い合わせ対応の省力化を目的に導入されることがほとんどです。しかし私たちの目指すものはまったく逆でした。AIエージェント型チャットボットを使って、高校生からの進路相談をもっと増やしたかったのです。高校内ガイダンスでは大学や専門学校等の担当者様が高校生と直接対話し、曖昧な言葉も言語化しながら進路決定へのヒントを見つけています。この体験をインターネット上で再現したいというのが、「ミチカル」誕生のきっかけです。
伊東様
高校生の世代はすでに「検索する」より「AIに聞く」が当たり前になっています。チャット形式での進路相談が自然な選択肢として受け入れられる素地が、ユーザー側にすでにある。そこが今回踏み出せた大きな要因だと感じています。また、想定外の質問すべての対応を事前に用意し、かつ学校情報の更新以外のメンテナンスをし続ける必要がないAI機能が実装されたことも、導入検討を加速させました。

他社のAIチャットボットと比較検討の結果、ChatPlusを選んだ決め手は何でしたか?
山根様
実は導入前に他社のAIチャットボットを一度試したことがあります。しかし、RAGのナレッジベース設計の自由度が極端に低く、入れられる情報量にも限りがありました。私たちは全国約3,500校・13,600学科という膨大な外部情報を学習させる必要があったため、これでは到底対応できないと判断し、断念しました。ChatPlusはナレッジベースの容量が圧倒的に大きく、自由にCSVを学習させられる設計で、いつでも変更できる柔軟性が魅力でした。また、私たちのサービスは未成年の高校生が主なユーザーであり、教育現場では個人情報・セキュリティの信頼性が絶対条件となります。ChatPlusはOpenAI社とのゼロデータ保持契約を締結しており、生徒が入力した内容が機械学習に使用されることも、外部に漏れることもありません。この安心安全の設計を高校生・保護者・学校の先生方に訴求できる点も、大きな選定理由でした。
具体的にどのような形でChatPlusを活用していますか?
山根様
2026年4月、進学ポータルサイト さんぽう進学ネットに「ミチカル」を実装・公開しました。高校生が「まつ毛の仕事に就きたい」と入力すれば「アイリスト」の学科を紹介し、「宇宙開発に興味がある」と入力すれば関連する学部・学科を提案します。自然言語での対話が可能なため、やりたいことが言語化できていない高校生でも、対話を通じて自分の興味を掘り起こすことができます。想定外だったのは、ミチカルが面接練習のパートナーとして使われ始めたことです。「○○大学志望です。面接練習の相手になってください」と入力すると、各大学・専門学校のアドミッションポリシーを学習しているため、それに沿った回答アドバイスや志望理由書へのフィードバックができます。志望校選びや受験対策のパートナーとして、高校生がフレンドリーに話しかけてくれる様子を見ていると、進路相談への心理的ハードルを下げられていると感じています。
導入後の効果を教えてください。
山根様
相談数は右肩上がりで伸び続けており、確実に多くの高校生に使われていることを実感しています。効果として特に注目しているのがエンゲージメント率です。「ミチカル」での相談をきっかけに大学・専門学校の紹介ページへ進んだ割合が約60%に達しています。ただ情報を表示して終わりではなく、高校生が「次を知りたい」と感じて動き出している。これは進学ポータルとして非常に意義ある数字だと捉えています。競合他社との差別化という観点でも、「ミチカル」というキャラクターとサービスを打ち出したことで、さんぽう進学ネットならではの訴求ができるようになりました。

伊東様
ユーザー体験という観点でも、手応えを感じています。チャットの回答に画像やURLを含めることができるため、ミチカルが学校を紹介するだけでなく、そのまま大学・専門学校の紹介ページへと自然につなぐ動線をつくれています。「解決しましたか?」と確認するだけの従来型チャットとは違い、高校生がもっと知りたいと自発的に次へ進める設計がエンゲージメント率60%という数字に表れていると思っています。これまで見えなかったユーザーのニーズが可視化されていく実感は、私たちにとっても本当に新鮮です。
ChatPlusの活用範囲を、さらに展開していく計画はございますか?
山根様
今後の大きな挑戦は、各大学・専門学校の「暗黙知」をミチカルに学習させることです。学校の本当の魅力は、「先輩が話しやすい環境で中途退学者が非常に少ない」「行事が多く友達がすぐできる」といった、学校内の人でしか知らない生の情報です。大学・専門学校に直接アプローチしている当社にしか収集できない情報をミチカルに学習させることで、世の中のどのLLMにも存在しない、志望校マッチング専用AIエージェントを目指していきます。
伊東様
公式LINEとの連携で、トーク画面から直接進路相談ができる環境を整えるとともに、「ミチカル」専用Webページの開設も計画しています。さんぽう進学ネットをまだ知らないユーザーにも広くリーチできるよう、秋以降に集中的に展開していきます。
最後に、当ホームページをご覧の方へメッセージをお願いします。
山根様
さんぽうは半世紀以上にわたり、高校生の進路選びを支えてきました。「やりたいことが分からない」という高校生こそ、「ミチカル」で話しかけてみてください。曖昧な言葉でも構いません。対話を重ねるうちに、自分でも気づいていなかった興味や強みが見えてきます。大学・専門学校を探している受験生・保護者の方はもちろん、進路指導にお悩みの高校の先生方にも、ぜひ一度ミチカルをお試しいただけたら嬉しいです。
伊東様
ブランディングの一環として、noteの運用も始めています。ミチカルを使った進路探しの一端を見られるようになっておりますので、こちらもご覧ください。

志望校マッチングAI ミチカル(さんぽう進学ネット内) http://www.sanpou-s.net/