CASE

導入事例

岩手県滝沢市ご当地キャラ「ちゃぐぽん」がAIチャットボットに!月5~600件の問い合わせ対応をこなす活躍ぶり。生成AIにより職員の運用負担を最小化

滝沢市企画総務部たきざわ魅力発信室

総括主査 木下 智恵子 様

主査 阿部 大我 様

滝沢市の概要をご紹介ください。

 岩手県滝沢市は、盛岡市の北西部に位置しており、盛岡市の中心街から10kmぐらい、盛岡駅からは車で15分ぐらいのところにあります。市内には国道4号、46号、282号が通っており、市を縦断するように東北自動車道も走っていて、滝沢インターチェンジ、滝沢中央スマートインターチェンジもありますので、比較的アクセスが良い地域です。

 滝沢市の東側は盛岡市に隣接しており、年々人口が増えている地区です。一方、北西部は、小岩井農場がある酪農の地帯で、牧歌的な風景が広がっています。都市的な地区と牧歌的な地区が混在して、いろいろな顔が見られるのが滝沢市です。また、滝沢「村」だった平成12年に人口5万人を突破し、当時は「人口日本一の村」として、全国に知られていました。そんな滝沢市は、令和6年1月1日市制施行10周年を迎えました。

 滝沢市は、地方では珍しく、近年の国勢調査で人口が増え続けている市です。市内に大学(岩手県立大学、盛岡大学)が2つあり、若い方の流入が多いのが特長です。盛岡市近郊では、大規模な住宅開発をしているところが少なく、滝沢市が住宅開発を行った時に、若い方々が一気に滝沢市へ流入しました。県内では、高齢化率も最も低い市になります。

ChatPlusの生成AI型チャットボット導入のきっかけは?

 私たちは、たきざわ魅力発信室に所属しており、文字通り滝沢市の魅力を、広報紙、ホームページなどを通じて広く発信する役割を担っています。

 滝沢市は今年度、ホームページのリニューアルを18年ぶりに行いました。ホームページのリニューアルは、長年の懸案事項で、掲載されている情報へのアクセスのしやすさを始めとした利便性が課題視されていました。ようやく今年度リニューアルを迎え、プロポーザルにて選定したリニューアルを担当するWeb制作会社から、チャットボットを設置してはいかがですか?と提案をいただきました。

 また、ホームページのリニューアルの目標に、職員の負担軽減ということもありました。チャットボットの設置によって、問い合わせの電話応対などをする職員の時間的負担を軽減できるのではないかと考えました。

シナリオ型ではなく、生成AI型のチャットボットを選択された理由は?

 当初、生成AI型ではないチャットボットの検討を進めていました。しかし、市のホームページで発信する情報は非常に多岐に渡っており、随時更新しなければならない情報も多いのが実状です。情報更新のたびに、チャットボットのQ&Aのシナリオも変更するのでは、運用していく私たちの負担が膨らみます。生成AIがフリーワード入力で答えてくれるチャットボットであれば、更新の負担も抑えられると思い、生成AI型を導入することに決めました。

 生成AIはホームページの情報や掲載されているPDFもすべて学習して、回答を作ってくれるので、Q&A作成の手間が省けます。生成AI型であれば、ホームページの情報さえ更新されていれば、チャットボットのメンテナンスも最小限なので、運用する職員の負担軽減にもつながります。

ChatPlusの生成AI型チャットボットはどのように活用されていますか?

 滝沢市のご当地キャラクターの「ちゃぐぽん」を、そのままAIチャットボットのキャラクターにしています。「ちゃぐぽん」は、滝沢市の伝統行事であるチャグチャグ馬コ(うまっこ)と、特産品であるリンゴやスイカが大好きなキャラクターです。「ちゃぐぽん」は、滝沢市の営業係長として市民に浸透しているので、このチャットボットに活用していきたいという思いはチャットボットを導入することを決めた当初からありました。

 ChatPlusの機能で、「ちゃぐぽん」の回答の語尾を「ぽん」にするように設定しています。AIチャットボットをキャラクター化することで、親しみやすさや使いやすさを利用者に感じてもらうということはありますが、「ちゃぐぽん」というご当地キャラクターへの愛着、そして滝沢市への愛着を醸成することを大きな目標にしています。

 基本的にはホームページに掲載されている情報はすべて「ちゃぐぽん」が学習して回答するという前提で運用していますが、痒い所に手が届いていないところもあります。そういったところを各課の職員が見つけた時には、全職員に共有しているExcelシートを利用し申告してもらって、随時、私たちが新しいQ&Aを学習させ、チャットボットちゃぐぽんをバージョンアップしています。

AIチャットボット「ちゃぐぽん」はどのくらい活用されていますか?

 1日に20件程度、1カ月500~600件「ちゃぐぽん」が利用されています時節柄、給付金についての質問入力があったり、小学校の学区についての質問入力があったり。例えば税金はいつまで納めればいいのかといったことについて、ホームページの中を探す前に、まずは「ちゃぐぽん」に問いかけているといったケースが多いかなという印象です。これからは、確定申告に関する質問が増えてくると思います。

今後ChatPlusをこんなふうに使ってみたいというのはございますか?

 拡張機能が豊富というのも、ChatPlusに決めた理由の1つでした。そのため、今後は、ホームページだけではなく、市公式LINEや「滝沢NAVI(滝沢ナビ)」という市公式のアプリなどと連携して「ちゃぐぽん」活用の機会を増やしていきたいと思います。LINEでもアプリでも「ちゃぐぽん」が問い合わせに対して会話するようになると、ますます職員の時間的余裕につながっていくと思います。

最後に、当ホームページをご覧のお客さまへメッセージをお願いします。

 滝沢市といえば、チャグチャグ馬コです。毎年6月の第2土曜日に行われる行事で、2025年は6月14日(土)に開催されます。色鮮やかな装束を身に付けた馬コは、鵜飼の鬼越蒼前神社にお参りした後、盛岡八幡宮まで約14キロの道のりを、チャグチャグと鈴の音を響かせ行進します。チャグチャグ馬コは滝沢市でも一番の推しの行事になっていますので、この機会にぜひ足を運んでいただけたらと思います。

 また滝沢市は、リンゴとスイカが名産品です。スイカは水はけの良い火山灰土によって育てられ、寒暖差が大きい気候風土により、より甘いスイカ「滝沢スイカ」が有名です。チャグチャグ馬コが落としていった馬糞を集めて堆肥として活用し栽培した「ちゃぐちゃぐスイカ」というブランドもあります。名産品の滝沢スイカとチャグチャグ馬コがコラボして、滝沢市のバリューを上げていこうという取り組みも進んでいます。

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