ChatPlus マーケティング担当者

AIエージェントで業務を自動化する方法!できる範囲と失敗しない進め方

「AIエージェントを導入したいが、どこまで任せてよいのか分からない」

「調べても、エージェントができることの説明ばかりで判断できない」

このような担当者の方は多いのではないでしょうか。

AIエージェントは、目標を渡せば手順を自ら決めて実行します。人手をかけずに業務を進められる一方、任せる範囲を決めないまま導入すると、任せすぎて事故が起きるか、任せなさすぎて何も変わらないかのどちらかになります。

判断基準は、業務の重要度ではありません。誤った結果が出たときに、人が気づけるかどうかです。

本記事では、AIエージェントで自動化できる業務とできない業務の線引き、進め方の4ステップ、実際の運用で起きた失敗までを解説します。

AIエージェントによる自動化とは?生成AIやRPAとの違い

タブレットで設備の稼働状況を確認する手元

AIエージェントによる自動化とは、AIに目標を渡すだけで、必要な手順の組み立てから実行までを行う自動化です。たとえば、問い合わせを受け取った後、顧客の契約情報を照会し、手続きを済ませ、完了の連絡を送るところまでを一続きで担います。

自動化の手段としてAIエージェントが検討される背景には、生成AIの利用が業務に定着してきたことがあります。

総務省の令和8年版情報通信白書によると、生成AIを積極的に活用する方針か、活用する領域を限定して利用する方針を定めている日本企業は68.9%となり、前年度調査の49.7%から増加しました。

AIを活用して回答やコンテンツを作るところまでは動き始めており、次の関心が、業務を終わらせるところまで任せられるかに移っています。

以下では、従来の自動化と何が違うのかを、RPAと生成AIの2つと比べて整理します。

RPAとの違い

RPA(Robotic Process Automation)とは、人がパソコンで行う定型操作をソフトウェアに覚えさせ、決められた手順どおりに繰り返させる仕組みです。請求書の転記や日次のデータ更新など、手順が固定された業務で活用されてきました。

RPAは手順を人が書くため、想定していない入力が来ると止まります。画面の位置や列の並びを固定して組んだRPAでは、帳票の様式が1列増えただけで処理が落ちます。手順の側に判断がないためです。

AIエージェントは手順そのものを決めます。様式が変わっても、目標に向かって処理の組み立てを変えることが可能です。一方で、毎回同じ手順で動くとは限らないため、結果の検証方法が変わります。

RPAは途中で止まれば異常として検知して停止できる一方、AIエージェントは動き切ったうえで結果が誤っていることがあります。ここが導入時の分かれ目です。

生成AIとの違い

生成AIは、指示に対して文章や画像などの答え(アウトプット)を出すところまでを担います。回答案は作れますが、外部ツールを操作する機能を持たないため、顧客管理システムへの登録やメールの送信は人が行わなければいけません。

AIエージェントは、外部ツールやAPIを操作して処理を完了させます。答えを出す自動化と仕事を終わらせる自動化の差だと考えると分かりやすいでしょう。実行まで任せられる分、エージェントの誤った判断がそのまま反映されるリスクは考慮しなければいけません。

AIエージェントで自動化できる業務とできない業務

チェックリストを書いたノートと鉛筆

すべての業務が自動化に向くわけではありません。向き・不向きを分ける基準は、業務の重要度ではなく、誤りに気づけるかどうかと、取り返しがつくかどうかです。

以下では、AIエージェントで自動化しやすい業務の条件を解説したうえで、代表的な3領域と任せてはいけない業務を紹介します。

自動化しやすい業務に共通する3つの条件

自動化しやすい業務には、共通する3つの条件があります。

  • 事後に正解を確認できる
  • 参照する情報が社内にそろっている
  • 失敗しても取り返しがつく

正解が事後に確認できる業務では、誤りが数字やログとして可視化されるため、ミスに気づき修正しやすいです。参照する情報がそろっていれば、AIエージェントが判断の材料を持てます。失敗しても取り返しがつく業務であれば、誤りが見つかった時点で修正できます。

この3つを満たす業務から始めると、導入の失敗が事故になりません。ここからは、各部門別で自動化しやすい業務を紹介します。

カスタマーサポート

カスタマーサポート部門では、問い合わせの一次対応、過去履歴の照会、回答の下書き、有人への引き継ぎなどがAIエージェントと相性が良いです。FAQが整っていれば、正確な制度で対応しやすく、対話ログで結果を検証できるためです。

回答に使った根拠が記録に残るため、誤った回答が出たときに原因を特定できます。問い合わせの件数が多い業務ほど、自動化の効果が数字に表れます。

バックオフィス

バックオフィスでは、経費精算の突合、請求書の処理、不備の検知などでエージェントを導入しやすいでしょう。

数値の照合は正解が明確なため、誤りに気づけます。金額が合わない、件数が一致しないという形で結果が表面化します。

判断の余地が少なく、処理の量が多い業務は、自動化の費用対効果が高くなります。

情報収集と資料作成

市場調査、競合調査、レポートの下書きなどが対象になります。出力を人が読んで判断する前提であれば、誤りが混ざっても止められます。

ただし、そのまま社外へ出す資料は対象から外しましょう。人が読む工程を残すことが、この領域を任せる条件になります。

自動化してはいけない業務

AIエージェントに任せてはいけない業務は以下の3つです。

  • 相手の前提を否定する連絡
  • 確認できない事実の断定
  • 取り消せない実行

ある広告運用の案件では、AIエージェントが調べた技術仕様にもとづいて、クライアントの理解は誤りだという旨の訂正文が用意されました。送信前に人が確認したところ、誤っていたのはAIエージェントだったのです。

特殊な条件下でのみ成立するルールを、一般的なルールとして広げて解釈していました。文面は整っており、根拠も示されていたため、正確に確認しなければミスを見落としていたかもしれません。

この例から導かれる基準が、相手の前提を覆す連絡は自動化の対象にしないという線引きです。カスタマーサポートに置き換えると、顧客の認識を訂正する回答や、その機能は使えないという断定が該当します。

社内の誤りは直せば済みますが、社外に出た断定は取り消せません。自動化の対象は、誤りが出ても取り返しがつく範囲にとどめます。

▼業務ごとの具体例は下記、AIエージェントの例の記事でも紹介しています。

AIエージェントで自動化を進める手順

黒板に描かれた工程のフロー図

AIエージェント導入は、順番を誤ると精度が上がらないまま運用が止まります。自動化の基本手順は以下の通りです。

  1. 対象業務を絞る
  2. 参照させる情報を整える
  3. 人の承認を置く
  4. 検証の仕組みを決める

以下では、各ステップの詳細を解説します。

ステップ1:対象業務を1つに絞る

あらゆる業務の自動化を目標にすると、どこから手をつけるかが決まりません。先に挙げた3つの条件を満たす業務を1つ選び、そこから始めましょう。

選ぶときは、件数が多く、後ほど正解を確認でき、失敗しても取り返しがつく業務を優先します。効果が数字で見えるため、社内で次の展開を説明しやすくなります。

ステップ2:参照させる情報を決める

回答精度は、モデルの性能よりも渡す情報、つまりエージェントが参照する情報の整備状況で決まります。

参照するべき情報が散在した状態では、AIエージェントはどの情報を採用するべきか判断できないため、誤った回答をするリスクが高まります。

カスタマーサポートの場合、導入前に参照させるフォルダを限定し、FAQの重複と古い記事を整理しましょう。旧版のマニュアルと現行版が同じ場所に残っていれば、AIエージェントは両方を同じ重みで参照するため、古い回答が提示されるリスクが高まります。

ステップ3:人の承認を挟む工程を決める

AIの精度は高くなっているとはいえ、100%正確な回答をする保証はありません。だからこそ、各工程の切れ目に人の承認を置くことが大切です。

実行の直前だけに置くと、そこまでの作業がすべて誤った前提の上に積み上がっているため、手戻りが大きくなります。

カスタマーサポートであれば、回答方針が決まった時点や顧客情報を更新する直前に人間が確認するとよいでしょう。

ステップ4:検証と反証の仕組みを決める

出力を目視で確認するだけでは足りません。機械で数えられるものは機械で数えます。カスタマーサポートであれば、回答に必ず含めるべき項目がそろっているかを自動で確認する形になります。

手数料、申込期限、必要書類といった項目を一覧にしておき、生成された回答文に含まれているかを機械で照合しましょう。これはAIエージェントの得意分野です。人が読むと文章として成立しているため見落としますが、項目の照合であれば欠落が数で表れます。

さらに有効なのは、レビューではなく、反証をタスクにすることです。

生成された回答を別のエージェントに渡し、正しいかどうかを確認させると、多くの場合そのまま通ります。一方で、この回答が誤っている根拠を探せと指示すると、参照元のFAQに書かれていない条件を補っている箇所や、旧版の手順を引いている箇所が見つかります。

検証の担当を分けることも効果的です。

回答を作ったエージェントに自己点検させるのではなく、回答文だけを別のエージェントに渡し、FAQのどの記事を根拠にしているかを逆にたどらせます。根拠までたどり着けない回答は、参照先にない内容を生成している可能性が高いと判断できます。

レビューを任せると同意しやすく、反証を任せると矛盾を探します。何を頼むかではなく、どう頼むかで結果が変わるわけです。

AIエージェントでどこまで自動化するべきか?

資料を広げて打ち合わせをするデスク

自動化の範囲は、業務の重要度では決められません。重要度が低くても取り消せない処理はありますし、重要度が高くても誤りに気づける業務はあります。判断基準は、誤った結果が出たときに人が気づけるかどうかです。

気づける仕事と気づけない仕事

数値の照合は、誤りに気づけます。請求額が合わない、件数が一致しないという形で結果が表面化するためです。文字コードの判定や、禁止ワードの検出、キーワードの出現回数のカウントも同じです。

共通しているのは、人が読まなくても誤りが表面化する点です。数が合わない、処理が止まる、検出件数が変わるという形で、機械の側から異常が返ってきます。

一方で気づけないのは、もっともらしい分析結果です。

AIエージェントの誤りは、明らかに変な出力としては現れません。根拠と数値が並んだ、整った分析結果として出てきます。問い合わせログの傾向分析や改善施策の提案がこれにあたります。

読んで納得できてしまうため、検証の工程を省いた時点で誤りは通過します。

自動化の範囲を決める3つの軸

業務ごとに線を引くときは、次の3つを順番に確認しましょう。

確認する軸判断の内容当てはまらない場合の対応
誤った結果に人が気づけるかログや突合の結果で誤りが表面化するか出力を人が読む工程を必ず残す
気づいたときに取り消せるか設定の変更や登録を元に戻せるか実行の範囲を限定する
取り消せない場合、実行前に承認を挟めるか送信や更新の手前に人の確認を置けるかその業務は自動化の対象から外す

3つとも当てはまる業務は、実行まで任せられます。1つ目だけが当てはまる業務は、回答や提案までにとどめます。どれも当てはまらない業務は、AIエージェントに情報収集だけを任せ、判断と実行は人が担うようにしましょう。

バックオフィスであれば、請求書の読み取りと突合は実行まで任せられます。金額が合わなければ結果に表れ、誤りがあっても支払いの前に止められるためです。一方で、取引先への支払いの実行や、社外への訂正連絡は、取り消せない処理として承認の対象にします。

この整理をしておくと、同じ部門のなかでも線を引けます。たとえば、カスタマーサポートではFAQにもとづく回答は実行まで、顧客情報の更新は承認つき、解約や返金の確定は人が担当するという分け方を行えるでしょう。

AIエージェントの自動化をする際の3つの注意点

ノートパソコンの前でメモを取る女性

運用で起きる失敗は、製品の不具合ではなく、検証を省いた場所で起きます。ここでは、現場で起きやすい3つの落とし穴と回避策を解説します。

もっともらしい説明でも疑う

技術的な説明が整っているほど、検証を省略してしまいます。しかし、納得できることは、正しさの保証ではありません。

とくに注意が必要なのが、できない、対応していないという否定形の断定です。否定の証明は反例1つで崩れるため、できるという主張よりも立証の負担が重いにもかかわらず、AIエージェントは同じ調子で断定します。

カスタマーサポートに置き換えると、「その機能はご利用いただけません」といった回答が該当します。誤っていれば訂正の連絡が必要になり、顧客の信頼を損ないます。

相手の前提を覆す結論と、できないという断定は、公式ドキュメントの該当ページを人が開いて確認するまで採用しない運用にします。

似た情報で代用してしまう

AIエージェントは情報を確認できなかった場合、それに類似した情報を参考にして回答することがあります。たとえば、旧版の社内マニュアルと現行版の両方がサーバーに残っていれば、廃止された手順が現在の手順として回答に出てきます。

数値の照合であれば誤りに気づけますが、手順の案内は誤っていても文章として成立してしまいます。

回避策は2つです。実際に使う画面やAPIで確認させること、そして参照させるフォルダを限定し、旧版を残さないことです。

少ないデータで判断してしまう

短期間のデータから結論を出してしまう失敗も起きます。

問い合わせログの分析の場面で考えてみましょう。特定の週だけ問い合わせが増えていれば、エージェントはそれを傾向として扱いますが、実際には障害の発生やキャンペーンの実施といった一時的な要因である可能性はあります。

経費や請求の突合も、月次で見るか年次で見るかで結論が変わります。

回避策は、集計期間と対象範囲を先に指定し、何日分のデータを、どの範囲で見たかを出力に必ず含めさせることです。あわせて、確認できた事実と推測を分けて書かせると、人が検証すべき箇所が見えるようになります。

AIエージェント+チャットボット+FAQで安全に自動化する

問い合わせ手段のアイコンを示すビジネスパーソン

ここまで解説した手順のうち、参照させる情報の整備と人の承認を挟む工程は、製品の組み合わせで設計できます。

チャットプラス株式会社では、AIエージェントのAI AgentPlus、チャットボットのChatPlus、FAQシステムのFAQPlusを提供しており、3つを連携させて運用することで、安全に自動化できます。

AI AgentPlusでできること

AI AgentPlusは、顧客対応の判断から外部システムとの連携、有人への引き継ぎまでを担うAIエージェントです。

会員ランクや購入履歴、閲覧ページなどの情報から状況を分析し、一人ひとりに合わせた対応方針を提案します。最終的な判断を人が下せる形にできるため、承認を挟む工程を設計しやすくなります。

辞書機能による社内用語や略語への対応、回答範囲の限定、根拠の明示といった仕組みで、誤った情報が出ることを抑えることも可能です。根拠が明示されるため、人が検証すべき箇所を特定できます。

対話履歴は生成AIが自動で分析し、追加すべきQ&Aや対応方針を提案します。資料のアップロードやURLの指定でナレッジを構築でき、BoxやSharePointとのデータ連携にも対応しています。

外部システムとの連携は、業務フロー構築ツールを介したノーコードの設定で進められます。料金は初期費用0円の月額制です。

FAQPlusとChatPlusを組み合わせた自動化の流れ

FAQPlusは、各種資料からAIがFAQ記事を自動で作成し、公開前後に似た記事やリンク切れがないかを自動でチェックするFAQシステムです。似た記事が重複して残っている状態を見つけられるため、ステップ2で解説した情報の整備を仕組みとして回せます。

3製品を組み合わせた運用は、次の流れになります。

  1. FAQPlusで、社内の資料や過去の回答から正確なFAQを整える
  2. 連携したAI AgentPlusが、そのナレッジと顧客情報を参照して回答や手続きを進める
  3. 解決しない問い合わせや、判断が必要な問い合わせは、ChatPlusの有人チャットへ引き継ぐ

この引き継ぎが、人の承認を挟む場所そのものになります。自動化と有人対応を切り離さずに設計できる点が、3製品を一体で運用する強みです。

導入企業実績の集計では、社内のヘルプデスク業務の問い合わせは約70%が自動で解決、お客様からの問い合わせ対応ではよくある質問の自動回答により運用コストを80%削減しています。

まずは自社の問い合わせのうち、エージェントに任せる範囲の相談から承っています。お気軽にお問い合わせください。

まとめ:AIエージェント自動化の線引きは、人が気づけるかどうかで決める

AIエージェントによる自動化とは、エージェントに目標を与えて、目標達成までの手順と実行を任せることです。

しかし、それはエージェントに仕事を丸投げするというわけではありません。どこまで任せるかを決めないまま導入すると、成果よりも先に事故が表面化してしまいます。

線引きの基準は、誤った結果が出たときに人が気づけるかどうかです。気づける業務から始め、参照させる情報を整え、工程の切れ目に人の承認を置く。この順番で進めると、任せる範囲を安全に広げられます。

まずは自社の業務のなかから、正解を後で確認できる業務を1つ出してみてください。そこが、自動化を始める場所です。

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