ららぽーと、三井アウトレットパークのお客さま向けや、社内、テナント向けに合計14本のチャットボットが稼働、満足度向上と効率化を目的にさらなる展開を目指す!
三井不動産商業マネジメント株式会社
情報システム部 DX推進課
関森 悠斗様
貴社の事業内容をご紹介ください。
私たち三井不動産商業マネジメントは、三井不動産グループ商業施設事業のバリューチェーン中核企業として、ららぽーとや三井アウトレットパークなど、全国71ある商業施設の運営を行っています。(2020年4月1日時点)運営計画策定やオープニング販促計画などの開業準備計画から、開業後のテナント運営管理、通常販促計画、施設管理業務までトータルにマネジメントしていくのが、私たちの役割です。私が所属する情報システム部は、総務・人事・経理系の全社システムはもちろんのこと、こうした商業施設運営に必要なさまざまなシステムの導入から運用までを担当しています。
情報システム部の中で、DX推進課はどのような業務を行う部署ですか?
2020年3月まで、情報システム部は、情報システム課の1課体制でした。情報システム課は4チームで構成されており、ネットワークなど社内インフラの管理を行うチーム、全社システムを担当するチーム、テナントに貸与しているクレジット決済端末などの管理を行うチーム、そして私が所属していた販促チームがありました。販促チームは、弊社のアプリやお客さまへ付与するポイントを管理するシステムなど、比較的お客さまに近いところのシステムを担当しており、お客さま満足度の向上や業務の効率化を図るために、チャットボットの導入など新しいことにトライしていくチームです。
また、販促チームのメンバーを中心に4月からDX推進課が発足しました。業務はこれまでのアプリやポイントシステムの運用管理に加えて、全社におけるデジタル技術を活用したイノベーション推進への取り組みになります。
ChatPlusのチャットボットは、どのようなシーンで活用されていますか?
お客さま向け、社内向け、テナント向けの3つのシーンで、現在14本のチャットボットを導入しています。お客さま向けは、ららぽーと柏の葉、ららぽーと湘南平塚、ららぽーと沼津、ダイバーシティ東京 プラザ、三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島と5つの商業施設のWebサイトにチャットボットを設置し、ポイントやアプリに関する問い合わせ、各施設の営業時間やアクセスについての問い合わせなどへの対応を効率化するために活用しています。
社内向けは、施設の担当者から本部スタッフへ、売上金管理、お買物券についてなどの問い合わせに対応するようなチャットボットを設置しています。また4月から、施設の建物を管理する施設管理部にもチャットボットを設置しています。
テナント向けは、施設のオペレーションセンターとテナントの店長がコミュニケーションするSCコミュニケーション(Sコミ)というシステムに設置しており、申請書類についてなど多くある問い合わせにチャットボットで対応しています。
チャットボット導入前の課題と導入するまでの経緯を教えてください。
お客さまからのお問い合わせが非常に多いというのが課題でした。ポイントやアプリについてはヘルプデスクを設けているのですが、お問い合わせ内容の大半はいわゆる「よくある質問」です。担当者が定型文で返していくことが多かったので、なんとか効率化できないかと考えていました。
またヘルプデスクだけでなく、各施設のオペレーションセンターも販促を実施したり、テナントと打ち合わせしたりすることが主たる業務ですので、問い合わせに対応する時間を少しでも削減したいという要望がありました。
これらの課題を解決するために、最初はお客さま向けである各施設のWebサイトへチャットボットの導入を検討し始めました。10社ぐらいのチャットツールの話を聞き、最終的に3社のチャットツールをトライアルで試用しました。
10社のサービスの中からChatPlusをお選びになった、その決め手は何でしたか?
ChatPlusは他のチャットツールと比べて管理しやすいと感じました。管理画面も非常に見やすいですし、シナリオの作成も簡単です。またChatPlusは1カ月ぐらいの短期間でリリースできるので、各施設や各部署から要望があった際、スピード感を持って展開できる点が非常に大きいです。実際、チャットボットを導入したいと要望のあった施設のオペレーションセンターへ、リリースまでの早さ、そして価格を伝えると「そんなに手軽にできるの?」と、とても驚かれます。また、いろいろな機能がどんどんバージョンアップされていくところも良いと感じています。
今後も順次、チャットボットの導入を拡大していく予定ですか?
はい。商業施設は国内に71施設あり、今導入しているのは5施設ですので、これをどんどん広げていきたいと考えています。そう考えた時に、スピード感を持って導入できるChatPlusはまさに弊社のニーズにマッチしたチャットツールといえます。
お客さま向けのチャットボットについては、直接お客さまからの声を聞いている各施設のオペレーションセンターの担当者が、「こういう問い合わせが多いから、今度はこれをチャットボットに対応してもらおう」とブラッシュアップしていく運用を行い、将来的には、施設の総合案内所の役割をチャットボットに置き換えられることが理想です。
商業施設だけでなく、社内システムにもチャットボットを導入しており、反響が大きいです。売上金管理システムなど各社員が使うシステムに導入しているので、「これは何?」「ウチの部署にも入れたら便利」と私の部署へ寄せられる声は少なくありません。例えば総務・人事・経理など、社員からの問い合わせが発生する社内のいろいろな部署のシステムにも、チャットボットを導入していきたいです。
ChatPlusの活用について将来的な構想を教えてください。
社内の各部署にチャットボットが導入後、各チャットボットを一本化して総合窓口にできないかと考えています。社員のさまざまな「知りたいこと」に対し、素早く回答を導き出してくれる「社内コンシェルジュ」のような存在にチャットボットを育てていく構想を持っています。
弊社は全ての社員を商業施設運営のプロフェッショナルに育成するという人材育成の方針を掲げており、高い頻度でジョブローテーションをします。施設は、ららぽーと系の広域商圏の施設と、アウトレットモール、地域密着型のライフスタイルパーク、そして都心型の商業施設と4業態あります。4業態はそれぞれ運用が異なるので、違いを理解するためにいろいろな経験をしなければならないということでジョブローテーションを行っているのです。
私も入社後3年間は、三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島のオペレーションセンターに配属されており、その後、情報システム部へ異動になりました。私同様、社員は常に新しい職場、職種にチャレンジしていかなければならない環境にあります。そんな時に、配属された部署での仕事を一から先輩に聞くよりは、ベーシックなところはチャットボットで自己解決できるようなことができれば、より早く業務に溶け込めると思うのです。新しい部署へ配属になって、分からないことはとりあえず社内コンシェルジュであるチャットボットに聞こうというふうになってくれたらいいですね。
幸い、社内向けのチャットボットの利用率は非常に高いです。社内向けでチャットボットの利便性の高さを社員が徐々に体感しつつあります。オペレーションセンターの担当者が、チャットボットの利便性の高さを体感し、今度はお客さま向けにその利便性を展開できれば…という発想を抱いてくれれば、71施設への導入もぐっと加速すると思います。
最後に、当ホームページをご覧のお客さまへメッセージをお願いします。
今までの商業施設運営に捉われず、トレンドに応じたさまざまなイノベーション施策に積極的に取り組んでいます。
時間の経過とともに施設の魅力を高められるような『経年優化』の理念のもとお客さまに愛される商業施設運営に努めてまいります。